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  • 007 – COLUMN Hong Kong② Yosuke Matsubara

    text: Yosuke Matsubara

    Date: 2025.09.08

    『旅は道草が楽しい』

    香港の雑多な歴史背景をさかのぼると、さまざまな文化が混じり合った賑やかで騒がしい土地に通ずる熱がある。
    かつて宮古にも、各地に点在していた市場。下里公設市場をはじめ、肉や魚や野菜を軽トラで運んできて、それぞれの場所に根を下ろし、商いを何十年も続けてきた人々がいた。
    それは、当時から人間の原点でもある「食欲」という欲求を満たしていた。
    香港には、その「人間くささ」や「人間らしさ」が今も存在していて、至る所に市場があり、街の様子や人々の暮らしが目に浮かんでくる。
    観光地化された宮古島では、オーバーツーリズムをはじめとしたさまざまな問題が炙り出されているが、香港にはそれらすべてを受け入れてきたような、土壌の深さと器の広さを感じる。
    白洲正子の言う「真空地帯」と言う人間味のある土地を辿るように、人間の食欲に導かれて旅に出てみた一日だった。

    と、きれいに収まるように書いてみましたが、本命の美術館が定休日だったため食旅に切り替えました。

    前日の夜から香港の路上をふらふらとさまよい、見つけたお粥屋。
    深夜まで灯る明かりに吸い寄せられ、朝も早くから湯気が立ちのぼっている。
    席の目の前に仁王立ちするメニュー。
    “お粥”という静かな佇まいとはまるで違う、鋭く詰め込まれた粥。
    ぎゅうぎゅうに並ぶ、粥、粥、粥。
    粥よりも気になるLCCの席さながら値段の左右幅の身動きの取れなさに息を飲み込む。
    体に沁みる粥が、メニュー上では飽和していたが静けさを内包したその粥は、魚の出汁がやわらかく舌に広がり、やがてミートボールが転がる。
    朝食の縄張りを、やさしく完全に包囲していた。
    (続く)

  • 006 – COLUMN Hong Kong① Yosuke Matsubara

    text: Yosuke Matsubara

    Date: 2025.09.08

    『旅は道草が楽しい』

    久しぶりにパスポートを使用したのは更新してすでに5年が経過したころ。

    香港の入国審査をスルッと抜け、宿へと足速に急ぐ理由は、喉が渇いているからで、喉が渇いているのは韓国の空港で爆走したからである。(※ソウルマラソン当日でしたがマラソンは全く関係あらず、、)とにかく走った。話せば長くなるので割愛します。

    タイトルの”旅は道草が楽しい”とは歯に衣着せぬ物言いで審美眼の持ち主・白洲正子が名著「かくれ里」で残した言葉です。

    完全無欠な旅などおもしろいはずがなく、道中で何かしらのハプニングこそが旅の醍醐味と解釈してますが、白洲正子は当時、新幹線が誕生するや否や『ざまあみやがれ』と言い捨てたそうで、文明開化よりも自分の足で歩き回る日本各地の路地裏に楽しさを見出していたかもしれません。

    香港での路地裏や街道筋はまさにアジアの喧騒として白洲正子の書いたことを体現していることもいま書きながら思い出しています。

    さっそく道中では地下鉄の改札でカードのタッチ決済があって驚いた矢先、 『アメックスハツカエナイ』と書いてあったり、改札を潜って予約していたエアビーのスマートキーも暗証番号がついては消えるというイリュージョンが展開されたり。悪戦苦闘しながらも喉を潤せたのは宿先にフリーのミネラルウォーターが備えられてたからである。ありがたや。

    香港の外の空気を肺に収めたのは暗くなる頃で入国してから2時間が経過していた。思い起こせば5年前に初めて訪れたこの土地は2回目でありデモ真っ只中でバクチクや火薬の香りが記憶の片隅に刷り込まれている。今回到着したのが日曜日ということで路上には活気に満ちていると同時に空港で両替しなかったせいで、両替所はどこもシャッターを閉じていて現金にありつけない。このままでは昼メシ抜きのフライトでランチを我慢したのに夜メシも抜きになってしまう。アジアの金融街として知られる香港も、味な店に限ってはキャッシュレスな文明開化がまだまだ浸透していない。

    日常が便利になった世の中において、そうでない状況に直面すると、不便のほうが強く印象に残る。

    旅先ではアナログとの距離感を適度に保つことの大切さに、あらためて気付かされる。

    文明開化には多少のリスクがつきものである。白洲正子に『ざまあみやがれ』と言われている気がした。

    屋台街を早歩きで駆け抜け、やっとこさクレジットカードが使えるお店にありつけたのは飲茶の時間帯が最高潮に達した日曜の夜分19時。わからない言語が飛び交い聴覚の消耗よりも脳の言語処理で疲弊しそうになったり、漢字だらけのメニューにスマホをかざしていると、店員が英語で書いてる別メニューを差し出してくれた。そうだ、この店では外国人の身分なのだ。自国では海外の人々相手に試行錯誤している毎日だがこの土地ではみんなと同じ外国人なのである。そして、Googleマップのレビューで知ったのはベジタリアン推奨の店だった。(続く)

  • 005 – COLUMN recollection Fumio Sunada

    text: Fumio Sunada

    Date: 2025.08.27

    人の記憶。

    どんなに人工知能が学習を深めても、到達できない領域。

    音や匂い、肌にまとわる空気やその時に訪れた感情。それらが構築したひとつの状態は「記憶」のみに宿る。

    七月の草いきれのなか、浮輪を抱えて降りていった海につながるあの坂。

    夕方の喧騒に、籠を頭に乗せた老婆の姿を追いながら歩いた市場。

    タクシーの連なる深夜の飲み屋街で、酔客に混じり腹を満たしたあの店。

    あの人たちはもういなくなり、あの場所もすっかり姿を変えた。

    そしてわたし自身も変わってしまった。

    また記憶さえも変容し、すこしずつ漂白されてゆくのだろう。

    あまりにも沢山の人がやってきて、訪れることができないほどの店が出来て、さほど大きくもない島がその重さに震え始めている。

    とてつもないスピードで変わりゆく風景に戸惑うことしかできないでいる。

    それでもうつくしい記憶の残滓をつなぎ、あたらしい知恵を注ぎ、人々の生活の景色のひとつになりたいと思う。

    だれかが昔を思い返すとき、そのかけがえのない記憶の一部になることができたら、それ以上望むことはない。

  • 004 – COLUMN The Living Language Yosuke Matsubara

    text: Yosuke Matsubara

    Date: 2025.08.18

    八重干瀬を“やびじ”と呼ぶようになったのは、いつからだろうか。
    これまでは“やえびし”と呼ばれ、お食事処にも使われている。地元の人々の間では、その呼称が共通認識だった思う。(そもそも漢字四文字の“やえびし”が、なぜ三文字の“やびじ”に変化したのか。)

    でもでも、元々は“やびじ”として繁栄されてきたワードが“やえびし”と漢字を当てたことによって変換した(された)のかもしれない。

    そう、いわゆる堂々巡りである。

    下地島空港もそうだ。

    今では“しもじしま”と呼ぶのが通称だが、昔は“しもじジマ”と発音していた人もいたはず(いるはず)。空港として利用されだし“ジマ”の濁点が省かれ、そのまま大衆に受け入れられたのだろうか。

    さらに踏み込めば、“シミュレーション”が“シュミレーション”として和製英語化し、独り歩きした呼称。

    あるいは“雰囲気(ふんいき)”を“ふいんき”と誤って発音しても、今では誰も何も違和感をもたない。

    言葉とはこうして、時代に沿って自然に変化していくものなのかもしれない。

    書籍『人間はなぜ歌うのか? 人類の進化における「うた」の起源』によれば、言葉が生まれる以前、人は歌い、踊っていたという。目の前に現れた敵を威嚇するために大声を発したり、身体を動かすことで生存本能を研ぎ澄ませていた。それがやがて、生活の変化とともに「言語」へと姿を変え、円滑なコミュニケーションの手段となり、会話を楽しむようになったということらしい。

    ちなみに作家・岡本太郎が制作する作品につけるタイトルについて語っている(1954年)。言葉の意味をあえて無効化し、作品そのものに力を託す姿勢。

    稀代の音楽家・エイフェックスツインの名アルバムにも、曲名を記号だけで示した作品がある。そこには言葉よりも音そのものの力を信じる姿が表れている。

    話しが脱線したが、こうして考えると、言葉の流動性や意味の変化は、人が生き続ける限り果てしなく続いていくのだろう。

    言葉は固定されるものではなく、常に揺れ動きながら、時代とともに生きている。

    ジャンゴ 繋がれざる者 2012

    Django Unchained 2012

  • 003 – COLUMN Standard Daichi Sakurai

    text: Daichi Sakurai

    Date: 2025.08.14

    皆さんが思う「宮古島の美」とは、どんなものだろう?

    ローカルガイドマップを作ろうと決めてから、全国のガイドマップなど調べていく中で出会ったのが神奈川県真鶴町の「美の基準」だった。今から32年前に”美しさ”を言語化した1冊。

    1980年代後半バブル景気真っ最中、近隣である熱海や湯河原でも次々とマンションや開発が急速に進んでいった。そんな時代の流れの中で、真鶴町も同じような波にさらされようとしていたそうだ。

    そんな中、当日町長が挙げた「まちづくり条例」に盛り込まれた”美の基準”。それは真鶴町らしさを守るための指針だった。

    “美の基準=真鶴らしさ”

    美の町基準〜真鶴町まちづくり条例「美の基準」〜|真鶴町

    特別な事ではなく日常の中にある小さな「美しさ」。それを町の人々とともに言葉にし、1冊にまとめたのだ。

     普段漠然と「いいな」と思うことはあってもなかなか言語化することはなかったが、ふと自分自身に宮古島のどの部分が美しいと思うのか問いかけてみた。

    ・島を包み込むのではないかと思わせるほど元気に伸び切った道路脇の草木。

    ・夕方散歩途中に話しこむ、おばあ達の情景。

    ・時の早さなど関係ないとばかりに日陰でゆっくり寝てる猫。

    ・お酒を囲み親睦を深め、笑い合う人々の輪が島のつながりを教えてくれる。

    一部ではあるが、僕にとっては宮古島のなくしてほしくない”美しさ”である。

    「美の基準」の最後にはこんなことが書かれている。

    真鶴町がいつか自然と人のユートピアになるよう願うこと。美しい世界を一人ひとりが具体的に想像すること。美しく豊かな眺めはそれぞれの心から創られる。

    引用 美の基準 「眺め」より

    景観も大事だか結局はそこに住む、通う「人」でつくられる。

    だからこそ僕らの作るマップではお店を創る「人」にもスポットを当て伝えていきたいと思っている。

  • 002 – COLUMN Mood Indigo Yosuke Matsubara

    text : Yosuke Matsubara

    Date: 2025.08.09

    宮古島には砂川美恵子さんという宮古上布制作に長年携わっている染織・織作家がいる。

    美恵子さんは20代の頃から藍に触れ、このかた約半世紀の藍の大ベテラン。

    若い頃に藍に出会い、魅せられ、世界の藍の旅に出た。

    当時の美恵子さんはお母さんが心配するからといって、『旅行ツアーで中国を巡る』と旅行会社の添乗員もいる旅行企画で中国に出かけた。

    しかし、実際は地球の歩き方一冊を片手に藍を追いかけて、未知なる中国の山奥の極地にひとりで挑んだ。

    クレイジージャーニーのように移動の飛行機からバス、トイレ事情まで当時のことをとにかく楽しそうに話す美恵子さん。この夏、美恵子さん講師のもと『藍染めワークショップ』を開催することとなった。ぜひとも。

    藍については2021年のエルメスの企画で詳しく。こちらもぜひとも。 映像もいいけど、音声はもっと美恵子さんワールド。

    かつて宮古島は海に沈んでは浮き上がってまたまた沈んでと、まるでお風呂にでも浸かるかのように繰り返していたらしい。

    ここ最近は何度かこの話しを聞く機会があった。

    宮古と言えば雨の降らない乾いた島の大地を太陽が照らし続けたことが、足元で地面を鳴り響かす雨乞いの踊りとして各集落に誕生したり。

    はたまた時折降り注ぐスコールが50年に1度の大雨となったり。

    天災に翻弄されながら宮古島は反復的に歩んできたことがいまこうして目の前で起こっている。

    先人たちはこれを自然の摂理として受け入れ営みを続けてきた。

    先日、美恵子さんの畑で藍を収穫する機会があった。

    美恵子さんは朝の誰も起きていない時間帯から収穫を始め、陽が完全に上る前に畑仕事を終える。

    最近足を傷めて畑に出れてなかったようで「みんなで収穫したら早いね」と。
    月や野鳥のことが誰よりも大好きな美恵子さんは自然の摂理そのものなのかもしれない。

  • 001 – COLUMN Keyword Yosuke Matsubara

    text : Yosuke Matsubara

    Date: 2025.08.07

    地図を眺めるという行為は、上空から世界を見下ろす鳥のような視点をもたらします。 

    足元にある道のつながり、建物の配置、そして見えない関係性までもが、俯瞰によって新たに浮かび上がってきます。

    日本で本格的に測量に挑んだ伊能忠敬は、その地図づくりに余生の時間を捧げました。

    彼が「犬の糞をも避けずに測量に徹した」と語り継がれる逸話は、情熱と精度への執念を物語るものです。

    一定のペースを守って歩きながら計測を続けた姿勢は、ひとつひとつの点や道に対して意味を見出しながら、地表に確かな「輪郭」を描いていく行為そのものであります。

    つまり、地図とは上空からの視点で構築されるものであると同時に、地を這うような足元からの観察によってしか生まれない実感の集積でもあるのです。

    微細で手触りのある情報を得るには、やはり歩くことに勝る方法はありません。

    地図をつくるとは、空と地面のあいだを行き来しながら、自分なりの「把握」を更新しつづける作業なのだと思います。 

    そんな思考の循環が、「堂々巡り」という言葉の持つ本質に重なって見えることがあります。

    同じ場所を何度も巡る、繰り返す、戻ってくる——それは時に、無意識に育まれることもあります。

    MONO派の現代作家・李禹煥はこう記しています: 

    – 

    現代のキーワードは組替え、差延(ズラし)、繰り返しである。
    哲学者や芸術家のモチーフもこの三つを超えない。
    新しく作ることが意味をなくし、すでに生産されたものを脱構築しながらやってゆこうということらしい。
    しかし、そのような堂堂巡りも、時間と共に退屈になり空洞化するはずだ。
    それよりは、時には何もない蒼い空でも眺めたらどうか。
    そこにはまだ、手の届かないものが見えるかも知れない。 

     ── 李禹煥『余白の芸術』「現代のキーワード」より

    「地図を描く」とは、ただ地形を写すことではなく、情報が過剰になった時代にこそ必要とされる、「個人の地形感覚」を再構築することの試みでもあります。

    『DODO MEGURI』は、そのような思考の起点から生まれたローカルガイドです。 

    皆さまにご覧いただけますと幸いです。

  • 008 – INTERIOR SHOP MIYABI / Kenta Shimoji

    ▷〒906-0013 沖縄県宮古島市平良下里531-3 / MAP

    ▷WEBSITE : インテリアショップ みやび

    ▷SOCIAL :インテリアショップ みやび

    【 インテリアショップ みやび | 下地健太 】

    「時代にフィットさせる、お店づくり」

    およそ60年の歴史を持つ「インテリアショップ みやび(旧・司の家具)」。

    かつては自社工場で家具の製造も手がけており、時代の変化に応じて姿を変えながら、柔軟に歩みを続けてきました。

    店主の下地健太さんは、売れ筋の動向や陳列構成まで目を配り、自ら商品を選定しています。

    これまで、10年以上にわたってコンビニエンスストアの経営に携わっていた経験から、流通や売れ筋の動向も注視する養われた眼を兼ね備える。

    島外や県外への出張時、家具職人の工房へ足を運び、家具制作に対する意識についてじっくりと向き合う時間も大切にする。

    暮らしを司るカーテンやテーブル、ベッドといった家具から、ポップな雑貨、仏壇や神棚といった日々の生活に寄り添う品々を幅広く取り揃えています。

    近年では、宮古島へ移住された方々の新生活をサポートする機会も増えており、島の気候に適したメンテナンス方法や通気性を考慮した提案など、信頼に足る視点で丁寧を心がける。

    「単に家具を売るだけでなく、日々の暮らしそのものを豊かにしたい」と語る下地さん。

    時が刻まれるということは、家具と共に過ごす時間の割合も必然的に比例する。

    島の大地にしっかりと根を下ろし、地域とともに築いてきた歴史は、いまも確かな地盤として息づいている。

    Questionnaire

    朝は早起きですか?

    > 6、7時には起床する。

    好きな飲み物は?

    > 水とコーヒー。朝はホットコーヒー。

    よく使う色は?

    > 紺色。仕事上、汚れが目立たない色だったり、暖色系の強い色は選ばない。

    何度も繰り返し見た映画は?

    > ジム・ジャームッシュの映画はよく見ます。

    > 「Coffee and Cigarettes」/ 2003年 アメリカ

    > 「Patterson」/ 2016年 アメリカ

    本棚で1冊選ぶなら

    > 雑誌・ブルータスはよく購読しています。

    好きな場所はどこですか?

    > 比嘉ロードパーク

    いつも聴いている音は?

    > Cat Power – The Greatest LIVE

    いつも身につけているものは?

    > メガネ。

    毎日のルーティンはありますか?

    > 無い。

    最近の調べものは?

    > 金城次郎

    アイデアを創出するための方法はありますか?

    > 展示会へ足を運んだり、他所の店舗へ行ってみる。

    そのアイデアを出力する方法はなんですか?

    > 店に戻って、試行錯誤。

    日々の健康のために何か取り組んでいることはありますか?

    > 甘いものを食べすぎないこと。

    仕事をする上で大切にしていることはありますか? 

    > 自分もワクワクできる、ワクワクするお店づくりを心がけています。

    いま会いたい人/尊敬する人はいますか?

    > –

    ▷ADDRESS : 531-3 Hirara Shimozato, Miyakojima City, Okinawa 906-0013, Japan / MAP

    ▷WEBSITE : Interior Shop Miyabi

    ▷SOCIAL : Interior Shop Miyabi

    【 Interior Shop Miyabi | Kenta Shimoji 】

    Creating a Shop That Fits the Times

    With a history spanning nearly 60 years, Interior Shop Miyabi—formerly known as Tsukasa Furniture—has steadily adapted to changing times.
    In earlier years, the store operated its own furniture workshop, reflecting a tradition of in-house craftsmanship and an ongoing flexibility in its approach.

    Owner Kenta Shimoji carefully curates the store’s offerings, keeping a close eye on trends and display arrangements.
    Drawing on over a decade of experience managing a convenience store, he brings a well-developed sense of product movement and distribution to his current work.

    During business trips, he often visits the workshops of furniture artisans, valuing the time spent engaging deeply with the philosophy behind handcrafted furniture.

    From foundational furnishings like curtains, tables, and beds, to playful household goods, and traditional items such as butsudan (family altars) and kamidana (household shrines), the store offers a wide selection of products that accompany everyday life.

    In recent years, more newcomers to Miyako Island have come to rely on the shop as they start their new lives.
    With insight rooted in trust and experience, the team offers thoughtful advice tailored to the island’s unique climate—including maintenance tips and ventilation-conscious suggestions.

    “I don’t just want to sell furniture,” says Shimoji.
    “I want to enrich people’s daily lives through what we offer.”

    As time passes, so too does the time we spend with our furniture deepen in meaning.
    Firmly rooted in the island’s soil, the history built alongside this community continues to live on as a strong and steady foundation.

    Questionnaire

    Do you usually wake up early in the morning?
    > I usually wake up around 6 or 7 a.m.

    What’s your favorite drink?
    > Water and coffee. I always start my day with a hot coffee.

    What color do you often use?
    > Navy blue. Because of the nature of my work, I tend to avoid bright warm tones and prefer colors that don’t easily show stains.

    Is there a movie you’ve watched over and over again?
    > I often revisit films by Jim Jarmusch.
    Coffee and Cigarettes (2003, USA)
    – Paterson (2016, USA)struck
    / (1987, USA)

    If you could pick one book from your bookshelf, which would it be?
    > I regularly read Brutus magazine.

    Where is your favorite place?
    > Higa Road Park.

    If you had to choose one song that fits your mood right now, what would it be?
    > Cat Power – The Greatest (LIVE)

    What do you always carry with you?

    > Glasses.

    Do you have any daily routines?

    > –

    What’s a word or concept you recently looked up?
    > Jiro Kinjo

    Do you have a method for generating ideas?
    > By visiting exhibitions or checking out other shops.

    How do you usually express or output those ideas?
    > By going back to my store and trying things out through trial and error

    Is there anything you do regularly to stay health?
    > Avoiding eating too many sweets.

    What do you value most in your work?

    > I try to create a shop that excites me too—something that genuinely sparks joy.be done.

    Is there someone you’d like to meet?

    > –

  • 007 – Kawamitsu Shouten / Kawamitsu Hikaru

    ▷〒906-0013 沖縄県宮古島市平良下里570-1 / MAP

    ▷SOCIAL : Kawamitsu Shouten

    【 川満商店 | 川満光 】

    「シンプルにかぶりつくこと。きれいに食べようとせずに」

    作り手である店主に、ハンバーガーの食べ方を尋ねると、こう返ってきた。

    川満商店の武骨なハンバーガーを紐解くとアメリカンカルチャーのバックボーンが現れる。

    字幕なし、吹き替えなしの洋画が、家でつけっぱなしだった幼少時代。

    アメリカ好きな父親の存在が大きく、海外の家具やインテリアをいまもなお掘り起こす日々。

    20代前半は渡米したカリフォルニアのリバーサイドで短期間過ごした。

    現地の生活に溶け込んでいたメキシコ料理に出会ったことが、店づくりの根底を支えている。

    ホストファミリーがいつも買ってきてくれたハンバーガーやタコスに刺激を受け、トルティーヤが当たり前のように主食として食卓に並ぶ文化に興味が湧いた。

    とりわけ、ラルフおじさんがが買ってきてくれたモーニングブリトーは思い出の味だ。

    帰国してからも、ハンバーガーをはじめとした料理を取り巻く環境は続き、沖縄本島中部の店「GORDIE`S」で腕を磨きながら朝昼晩目まぐるしくハンバーガーづくりに力を注いだ。

    数年間のハードワーク時代を経て、やがて宮古島に帰郷。

    さまざまな道のりの中で2025年の2月に「川満商店」は腰を据えた。

    屋号を”商店”としている理由は関心のある事柄をひとくくりにできなく、挑みたいことは常に、そして無数にあるという。

    時折、『経年変化』という言葉を交えながら答えるインタビュー時に、終始流れているオールディーズの曲調が印象的だった。

    時間の蓄積によって、研磨され、研ぎ澄まされた感覚がにじみ出る。
    それは、グリルから静かに浮かび上がってくる煙のようでもある。

    Questionnaire

    朝は早起きですか?

    > 得意ではない。

    好きな飲み物は?

    > アイスコーヒーを1日4,5杯。

    よく使う色は?

    > 白。白teeをよく着ます。

    何度も繰り返し見た映画は?

    > 「スタンドバイミー」/ 1986年 アメリカ

    本棚で1冊選ぶなら

    > 無い。

    好きな場所はどこですか?

    > ルーツのある保良(ボラ)。小さい頃からずっと行っている思い出の場所。

    繰り返し聴いている曲(音)は?

    > 換気扇の音。

    いつも身につけているものは?

    > バングル2つ。20代前半から常に身につけている。

    毎日のルーティンはありますか?

    > 朝の一服とコーヒー。

    最近の調べものは?

    > Carnitas

    > Tacoraice

    アイデアを創出するための方法はありますか?

    > 海外の映画やドラマ、雑誌で得た家具やインテリアなど、思いがけず得た情報を逃さない。

    そのアイデアを出力する方法はなんですか?

    > 提供するメニューや内装をお店で表現する。

    日々の健康のために何か取り組んでいることはありますか?

    > 週一の運動。

    仕事をする上で大切にしていることはありますか? 

    > 適材適所。

    いま会いたい人/尊敬する人はいますか?

    > 小林瞬治 GORDIE`S オーナー

    ▷ADDRESS : 570-1 Hirara Shimozato, Miyakojima-shi, Okinawa 906-0013, Japan MAP

    ▷SOCIAL : Kawamitsu Shouten

    【 Kawamitsu Shouten | Hikaru Kawamitsu 】

    Just take a bite. Don’t try to eat it neatly.”
    That was the answer from the shop owner when asked how best to enjoy one of his burgers.

    Unpacking the rugged burgers of Kawamitsu Shoten reveals a strong American cultural backbone.
    As a child, Western movies—with no subtitles or dubbing—were always playing in the background at home.

    The presence of his father, a devoted fan of American culture, played a major role. Even now, Hikaru continues to dig up vintage American furniture and decor.

    In his early twenties, he spent a short time living in Riverside, California.
    It was there that he encountered Mexican cuisine, seamlessly embedded in the local lifestyle—a formative experience that now forms the foundation of his shop.

    He was inspired by the burgers and tacos that his host family often brought home, and he grew fascinated with a food culture where tortillas appeared on the dining table as a matter of course.

    One memory in particular stands out: the morning burritos brought by Uncle Ralph—a taste he will never forget.

    After returning to Japan, his passion for burgers continued to grow.
    He honed his craft at “GORDIE’S,” a well-known burger joint in central Okinawa, throwing himself into a fast-paced life of making burgers from morning to night.

    After several years of this hard-working phase, he eventually returned to his hometown of Miyakojima.
    In February 2025, Kawamitsu Shoten found its permanent home.

    The name “Shouten” (which means “general store”) reflects his refusal to be confined to a single category—his interests are many, and his desire to take on new challenges is constant and expansive.

    During the interview, he occasionally mentioned the term “keinen henka” (the beauty of aging and transformation).
    Oldies music played in the background, underscoring the mood throughout.

    Over time, his sharpened instincts—honed and polished through years of experience—begin to quietly emerge.
    Like the smoke rising gently from a grill, they become visible in subtle, tangible ways.

    Questionnaire

    Are you an early riser?

    > Not my strong suit.

    What’s your favorite drink?

    > Iced coffee, 4-5 cups a day.

    What color do you often use?

    > White. I often wear white t-shirts.

    What movie have you watched repeatedly?

    > “Stand by Me” / 1986, USA

    If you had to pick one book from your bookshelf?

    > None.

    Where is your favorite place?

    > Bora, where my roots are. A place of memories I’ve been going to since I was little.

    What song/sound do you listen to repeatedly?

    > The sound of the ventilation fan.

    What do you always wear?

    > Two bangles. I’ve been wearing them constantly since my early twenties.

    Do you have any daily routines?

    > My morning smoke break and cups of coffee.

    What have you been researching lately?

    > Carnitas / Taco rice

    Do you have any methods for generating ideas?

    > I don’t let unexpected information slip by – furniture and interiors from foreign movies, dramas, and magazines.

    How do you output those ideas?

    > I express them through the shop – the menu we serve and the interior design.

    Are you doing anything for your daily health?

    > Weekly exercise.

    What do you value in your work?

    > Putting the right people in the right roles.

    Is there anyone who has influenced you?

    > Shunji Kobayashi, Owner of GORDIE’S

  • 006 – Pani Pani Cinema / Ayako Shimoji

    ▷〒906-0012 沖縄県宮古島市平良西里261-2 / MAP

    ▷WEBSITE : 南の島 パニパニシネマ

    ▷SOCIAL : 南の島 パニパニシネマ

    【 南の島 パニパニシネマ | 下地史子 】

    “Pay It Forward – ペイ・イット・フォワード”
    受けた恩は次の世代へつなぐ

    宮古島にある映画館「南の島 パニパニシネマ」は、2025年10月で現館長・下地史子さんのもとで5周年を迎え、6年目へと歩みを進めている。

    今年の6月には名前も「南の島 パニパニシネマ」と改めた。

    かつて閉館の危機に直面したこの映画館は、前館長の「島に映画の火を灯す」という思いに共鳴した支援者の手によって再出発を果たした。

    その意志を引き継ぎ、下地さんが館長に就任してからの日々は、まさに手探りからの再構築だったという。

    現在では、下地島空港の国際線の再開により香港や韓国からの旅行者の姿もちらほら見られるようになった。

    国が異なっても、映画を愛する気持ちに違いはなく、日本最南端の映画館としての認知も少しずつ広がっている。

    「かつて昔は映画がそうであったように、今の宮古島の子どもたちにも、もっと気軽に映画に触れてほしい」。
    “Pay it Forward(受けた恩は次の世代へ)”という言葉のように、自分が受け取ったものを若い世代へとバトンを繋ぎ、絶やさないようにしたい――下地さんはそう語ります。

    配信サービス全盛の時代においても、「映画鑑賞体験」の魅力をどのように伝えるか、日々思案を重ねている。

    インディペンデントな映画館ならではのプログラムで上映映画に紐づいたイベントを積極的に打ち出し、これまでに訪れた映画監督や役者の顔ぶれなどの面々も数えきれないほど個性豊かだ。

    東京で暮らしていた頃に訪れた映画館での思い出を、今でも楽しそうに語る下地さん。

    その記憶は、映画を通じて誰かの心に残る時間を生み出したいという現在の活動につながっている。

    未来を担う子どもたちへ、なにを託せるか。
    ワクワクしながら、今日もスクリーンに灯をともしている。

    Questionnaire

    朝は早起きですか?

    > 早起きです。睡眠もしっかりとります。

    好きな飲み物は?

    > 自分でカスタマイズするフレッシュジュース。

    よく使う色は?

    > 最近は青ペンをよく使う。

    何度も繰り返し見た映画は?

    > 「ローマの休日」「ニューシネマパラダイス

    本棚で1冊選ぶなら

    > 「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」。積読が多い。映画になった題材など原作も読む。

    好きな場所はどこですか?

    > 映画館

    今の気分で一曲選ぶなら?

    > 曲ではありませんが、場内から漏れ聞こえる上映中の映画の音に耳を傾けながら、そのシーンを想像したり、観客が盛り上がっている様子を思い浮かべています。

    いつも身につけているものは?

    > アダンの葉で作られた指輪をいつもカバンに入れている。

    毎日のルーティンはありますか?

    > 犬の散歩、規則正しいことは苦手。

    大切にしている言葉は?

    > 知足 大切な事を忘れがちなので忘れないように掲示している。

    アイデアを創出するための方法はありますか?

    > 誰かとの対話の中で、ふとしたきっかけからアイデアが生まれることが多いです。ただし、意欲が湧くまでには少し時間がかかるタイプです。

    > 他地域の映画館関係者との情報交換を通じて、宮古島の環境に適した取り組み方を実現できる方法を日々考えています。

    > アイディアに関しては前館長が得意だった。

    そのアイデアを出力する方法はなんですか?

    > 思いついたことはすぐに取り掛かる、、ようにしたい。取り掛かるまで遅いので。

    日々の健康のために何か取り組んでいることはありますか?

    > 犬の散歩

    仕事をする上で大切にしていることはありますか? 

    > お客さまが映画を楽しんで、気持ちよく帰ってきていただけるように心がけている。

    会いたい人はいますか?(または尊敬する人)

    > 日常の行動を通じて、社会への支援を実践している人は尊敬するし、会いたいです。

    ▷ADDRESS : 261-2 Nishizato, Hirara, Miyakojima City, Okinawa 906-0012, Japan / MAP

    ▷WEBSITE : Mianmi no Shima Pani Pani Cinema

    ▷SOCIAL : Mianmi no Shima Pani Pani Cinema

    【 Mianmi no Shima Pani Pani Cinema | Ayako Shimoji 】

    “Pay It Forward”

    Passing on the kindness we receive to the next generation

    Located on Miyako Island, the cinema Minami no Shima Panipani Cinema will celebrate its fifth anniversary under current director Ayako Shimoji in October 2025, marking the beginning of its 6th year.

    In June of this year, the cinema was officially renamed “Minami no Shima Panipani Cinema“.

    Once on the brink of closure, the theater was revived through the support of those who resonated with the former director’s desire to “keep the flame of cinema alive on the island.”

    Director Shimoji has carried on that vision, and recalls that the early days of her leadership involved rebuilding everything from scratch, often through trial and error.

    Today, with the reopening of international flights to Shimojishima Airport, visitors from places like Hong Kong and South Korea have begun to appear.

    Regardless of nationality, the love for cinema is universal. Recognition of this theater—Japan’s southernmost cinema—is steadily growing.

    “As movies once were in the past, I want the children of Miyako Island today to have more casual and open access to films,” says Shimoji.
    Like the phrase “Pay it Forward,” she hopes to pass on what she has received to the next generation, ensuring that the chain of goodwill is never broken.

    Even in this age of dominant streaming services, she continues to reflect on how to convey the irreplaceable joy of the cinema experience.

    Through unique, independent programming, the theater actively hosts events linked to its screenings. Over the years, it has welcomed a remarkable number of directors and actors—each one rich in character and creativity.

    She fondly recalls memories of visiting cinemas during her time living in Tokyo.
    Those experiences continue to inspire her desire to create moments that resonate in the hearts of others through film.

    What can we entrust to the children who will carry our future?
    With excitement and hope, she continues to light the screen—one day at a time.

    Questionnaire

    Are you an early riser?

    > Yes, I wake up early and make sure to get proper sleep.

    Favorite drink?

    > Fresh juice that I customize myself.

    Color you use often?

    > Recently, I’ve been using blue pens a lot.

    A movie you’ve watched repeatedly?

    > Roman Holiday, Cinema Paradiso

    If you had to pick one book from your shelf?

    > Welcome to Hyunam-dong Bookshop. I often read original novels that have been adapted into films.

    Favorite place?

    Pani Pani Cinema

    Sound or music that calms you?

    It’s not a song, but I like listening to the sounds of a film playing inside the theater—imagining what’s happening on screen, and picturing the audience getting excited.

    Something you always wear?

    A ring made from pandanus leaves, which I always keep in my bag.

    Your daily routine?

    Walking my dog. I’m not good at keeping strict routines.

    A word you recently looked up?

    “Chisoku” (contentment with what one has). I even have it posted in the theater.

    How do you generate new ideas?

    Ideas often emerge during conversations with others. That said, I usually need some time before I feel motivated.
    I also engage in regular exchanges with cinema staff in other regions to explore practices that might work in the context of Miyako Island.
    The former director was especially skilled at coming up with ideas.

    How do you put your ideas into action?

    Once an idea strikes, I try to act on it immediately—though it usually takes me a while to get started.

    Do you do anything for your health?

    Walking with my dog.

    What’s important to you in your work?

    I always aim to ensure that guests enjoy their movie experience and leave feeling good.

    Someone you admire or want to meet?

    I admire and would love to meet people who incorporate social support into their daily actions.